朽葉考集録

めめとちゃんの雑記帳です

私的考察ルールブック。

 考察好きを自負する身として、自分が考察する上でのルールみたいな物を書いておこうと思う。現在進行中のヨルシカの考察も、ここに書くルールに従って書いているので、そこを踏まえていずれ出るであろう考察を読んでもらえれば幸いだ。

 「何度被弾れ満身創痍ても 心に幻想あるかぎり その幻想を残機にして 僕らは、また、飛んでいけるーー。」
 東方アレンジサークル、凋叶棕の「奉」に収録されている"テーマ・オブ・カーテンファイアシューターズ"冒頭の一節だ。歌を聴かずに歌詞だけ見ると読み方が分からないと思うので、歌のままに読みを付けるとこうなる。

 「何度被弾(たお)れ満身創痍(つかれはて)ても 心に幻想(ゆめ)あるかぎり その幻想(ゆめ)を残機(いのち)にして 僕らは、また、飛んでいけるーー。」

 これがどうしてこの読みになるのかを考察していこう。とはいっても、前提知識がいくつか必要になるので説明する。

まず、この曲を作っている「凋叶棕(てぃあおいえつぉん)」というサークルについて。このサークルはほぼ年に2-3回のペースで新譜を出しているのだが、そのどれもが1つのコンセプトに沿った物語のような盤になっているので、「聴く同人誌」という異名を持っている。
 そして、曲の内容を考察してもらうために凄まじく手の込んだギミックを曲中だけでなく、ブックレット、インレイ、カバー、果ては新譜の特設サイトにまで仕掛けているのが特徴だ。

 この"テーマ・オブ・カーテンファイアシューターズ"が収録されている「奉」(ささげと読む)は「ゲーム作品としての東方」をメインテーマとし、一曲を整数ナンバーの東方作品(紅魔-輝針まで)に対応させているが、この曲(だけ?)は東方シリーズをプレイしてきた「シューターズ」…つまり、プレーヤーならピンとくるフレーズを使って構成されている。

 整理しておこう。つまりこの盤は「ゲームとしての東方」をテーマにしていて、この曲のタイトルは「テーマ・オブカーテンファイアシューターズ」、つまり「弾幕シューター達のテーマ」…東方をプレイする人々の曲ということだ。それを踏まえて考察していく。

 まず、「何度被弾(たお)れ満身創痍(つかれはて)ても」の部分。今更ながら補足しておくと、東方projectは「弾幕シューティングゲーム」だ。被弾はすなわちミスを示す。「満身創痍」はゲームオーバーのことだ。

 そして、「心に幻想(ゆめ)あるかぎり その幻想(ゆめ)を残機(いのち)にして 僕らは、また、飛んでいけるーー。」の部分。幻想(ゆめ)については飛ばして、残機とはそのままコンティニュー回数のこと。しかし、満身創痍…ゲームオーバーになったということは残機は0なのだ。

 でも、ゲーム内の残機が0になっても、僕らはゲームを続けることができる。なぜか。ゲームの中でどれだけ失敗したとしても、画面の前にいるプレーヤーの心が折れない限り、何度でもゲームを再開できるからだ。

 ということは、「幻想(ゆめ)あるかぎり その幻想(ゆめ)を残機(いのち)にして」の意味も分かってくる。さっき幻想(ゆめ)の考察を飛ばした理由だが、このサークルでは幻想の意味も様々なパターンがあるので、文脈を見ないとはっきりした意味を確定できないからだ。この場合だと、画面前のプレーヤーの持つ「諦めない意志」が幻想(ゆめ)だと読み解くことができるだろう。

 ここまで考察したら、この一節全体の意味を整理できるんじゃないだろうか?あらため、改めて読み直してみよう。
 
 「何度被弾れ満身創痍ても 心に幻想あるかぎり その幻想を残機にして 僕らは、また、飛んでいけるーー。」
意訳すると…
「何度ゲームオーバーしても 僕らが諦めなければ その折れない心が新しい残機になって 何度でも、東方projectに挑戦できるーー。」
 …シューティングは、何度も何度も失敗して、パターンを学んでいくことで攻略できるようになる。それまでには試行錯誤と、自分ならできる、そう信じる心が大切なんだ。そのプレーヤーの心を、これほどに穿ってくる歌詞があるだろうか。

 さて、この一節の考察が終わったところで、この中にあった僕にとっての考察する上でのルールをまとめたいと思う。

1…歌詞に書いてあること、及び製作者が明言、あるいは暗示している情報をソースにする。

2…その上で、歌詞を(時にはメロディーも)読み解く。

3…納得できるものになったら、それにそって歌詞を意訳していく。

 大体こんなところだろうか。もちろん、これによって出てくる考察が多くの人が考えていることと一緒になることもあるし、そうならない場合もある。そうなるのは、まあ読む人の知識の幅や方向によっても違うからなぁ。

 ま、人によって違う感想が出てくるのも考察の面白い所だろうし、いいか。